憲法記念日にあたっての党談話

憲法記念日にあたっての党談話

2026年5月3日

社会進歩党代表
鈴木しんじ

 本日、私たちは憲法記念日を迎えました。日本国憲法が掲げる国民主権、基本的人権の尊重、平和主義は、日本社会の土台であり続けています。しかし現実には、格差の拡大、生活不安の深刻化、地域間の不均衡、そして国際社会における戦争と覇権主義の横行によって、憲法の理念はなお十分に実現されているとは言えません。だからこそ私たちは、憲法を単に守るだけでなく、その理念を現代においてより実質的に実現するための改革に取り組まなければならないと考えます。

 社会進歩党は、憲法を国家機構の設計図にとどまるものとは考えません。憲法とは、権力を縛り、平和を守り、人間の尊厳を保障し、誰もが人間らしく生きるための社会的条件を整えることを国家に求める根本規範です。私たちは、自由、民主主義、平和、そして社会的平等を切り離すことはできないと考えます。貧困や格差によって生活が脅かされ、教育や医療へのアクセスが不平等に分かたれ、働く人びとが不安定雇用と低賃金に置かれる社会においては、形式的に権利が書かれていても、それは十分に保障されているとは言えません。

 社会進歩党の前身である社会民主進歩党は、未来進歩党が結成される以前から、新憲法草案の試案づくりに取り組んできました。現在、未来進歩党がまとめた新憲法草案は、そうした議論の蓄積を基礎の一つとして形成されたものです。社会進歩党としても、上位団体である未来進歩党の新憲法草案を真摯に検討しており、今後、党としてその承認を行う予定です。

 私たちは、この新憲法草案の大きな意義の一つが、侵略戦争への加担を憲法上明確に禁止したことにあると考えます。米国のような同盟国であっても、国際法に違反する武力行使への参加や支援は許されません。強大な軍事力を持つ国の行動であれば正当化されるという発想は、法の支配と平和主義を破壊するものです。日本は、どの大国の覇権主義にも従属せず、侵略戦争に加担しない国でなければなりません。

 また、現行自衛隊を改称した「防衛機構」の存在と任務の限界を明文化したことも重要です。防衛機構は、日本国および国民の防衛と、国際法に適合する範囲での平和回復のためにのみ存在し、侵略戦争や国際法違反の武力行使への参加・支援は認められません。これは、軍事組織の存在を既成事実として追認するものではなく、その行動を厳格に憲法で縛り、軍事力の暴走を防ぐための規範です。

 さらに私たちは、この新憲法草案が、政治のあり方をより民主的で参加型のものへと改めようとしている点を重視します。日本型大統領制の導入は、国民が行政の最高責任者を直接選ぶことで、主権者としての政治的意思をより明確に反映させる試みです。同時に、州制度の導入は、中央集権的な国家運営を改め、地域の自己決定と住民自治を強める方向を示しています。しかもこれは現行の都府県を直ちに廃止するものではなく、十分な準備と段階的な制度整備を前提に進めるものです。私たちは、中央官僚機構と一部既得権益に権限が集中する国家ではなく、地域と住民が主体となる民主的分権国家を目指します。

 社会進歩党は、とりわけ社会的平等の実現を新しい憲法秩序の中核に据えるべきだと考えます。憲法は、単に国家からの自由を守るだけでなく、すべての人が教育、医療、福祉、住宅、労働の面で人間らしい生活を営む条件を保障するものでなければなりません。非正規雇用の拡大、低賃金、長時間労働、子どもの貧困、女性や性的少数者への差別、障害のある人びとの排除、地方の切り捨て、こうした現実に対して、政治が「自己責任」の名で放置することは許されません。私たちは、憲法の理念を通じて、競争と格差ではなく、連帯と公正に基づく社会を築くべきだと考えます。

 緊急事態への対応についても、私たちは、国家が危機に際して機能しなければならないことを認めつつ、危機を理由とする権力集中や人権制約には強い警戒を持っています。侵略、大規模災害、深刻な衛生危機に対応する制度は必要ですが、それは常に議会、裁判所、そして憲法による統制の下に置かれなければなりません。非常時であっても、弱い立場の人びとの権利が真っ先に切り捨てられるような国家であってはなりません。

 憲法記念日にあたり、社会進歩党は、平和主義、民主主義、基本的人権の尊重、そして社会的平等の実現という立場から、憲法論議に引き続き真摯に取り組む決意を表明します。私たちは、戦争に加担しない日本、格差と貧困を拡大させない日本、そしてすべての人が尊厳をもって生きられる日本を実現するために、これからも全力を尽くしてまいります。





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