社会進歩党は、イスラエルおよびアメリカ合衆国によるイランへの軍事攻撃、ならびにその過程でイラン最高指導者アリー・ハメネイ師が殺害されたとの報道について、重大な関心と深い懸念をもって受け止めている。
まず明確にしておく。我々は、イラン現体制が抱える深刻な人権侵害や政治的抑圧、表現の自由の制限、地域への軍事的関与について、これまでも一貫して強く批判してきた。ハメネイ師の統治を評価する立場にはない。しかし、体制の評価や変革は本来、イラン国民自身の自由な意思に委ねられるべき問題である。外部勢力が軍事力によって指導者を排除することは、たとえ体制に重大な問題があるとしても国際秩序の観点から慎重であるべきであり、地域の不安定化や報復の連鎖を招く危険を伴う。
核問題をめぐる外交交渉が継続している最中に、相手国の事実上の元首が軍事行動の結果死亡したとすれば、それは国際法秩序に重大な問いを投げかける事態である。国連憲章は武力行使を原則として禁止し、その例外は武力攻撃に対する自衛権の行使、または国連安全保障理事会の明確な授権に厳格に限定している。今回の軍事行動および指導者殺害が、必要性・急迫性・比例性の要件を満たしていたのかについて、関係国による十分かつ透明な説明が求められる。
イラン核問題をめぐっては、2015年、オバマ米政権の下で、米国・英国・フランス・ドイツ・ロシア・中国およびEUが参加する包括的共同行動計画(JCPOA)が成立し、イランの核活動を厳格な査察と制限の下に置くことで、対立を外交的枠組みの中に収める重要な前進があった。
しかし2018年、トランプ政権はこの多国間合意から一方的に離脱し、「最大限の圧力」政策へと転換した。合意を主導した当事国自身がこれを覆し、制裁を再発動・強化したことは、外交的信頼を損ない、合意体制を大きく動揺させた。この経緯が現在の緊張の背景にあることを直視する必要がある。
現在求められているのは、軍事的手段の拡大ではなく、破壊された外交枠組みの再建と信頼回復である。力による既成事実の積み重ねではなく、法と対話に基づく解決こそが、地域の安定に資する道である。
我々は、日本政府の対応についても注視している。高市早苗首相は、本件に関し国際法上の評価や日本としての立場を明確に示すべきである。主権国家として、日本は同盟関係を踏まえつつも、国際法と憲法の平和主義に基づく主体的な判断を行わなければならない。
また、現行の安全保障関連法制には憲法第9条との整合性について重大な疑義がある。集団的自衛権の行使を全面的に可能とするのであれば、それは内閣の解釈変更によってではなく、主権者である国民の明確な意思に基づく憲法改正を経て初めて行われるべきである。
したがって政府は、今回の事態に関連して、自衛隊による人的・物的支援、後方支援、情報共有、基地提供その他いかなる形態であれ、国際法上の正当性が確立していない軍事行動への関与を行うべきではない。憲法秩序を最優先に慎重な判断を行うことを強く求める。
社会進歩党は、事態のさらなるエスカレーションを回避し、国連を軸とする多国間外交の再構築に向けた努力が速やかに開始されることを求める。
以上
2026年3月1日
社会進歩党代表
鈴木 しんじ





