81回目の広島「原爆の日」を迎えて【党談話】

81回目の広島「原爆の日」を迎えて

81年前の今日、一発の原子爆弾が広島の街を焼き尽くし、そこで暮らしていた多くの人々の生命と日常を奪いました。

私たちは、原爆によって犠牲となられたすべての方々の御霊に、心から哀悼の意を表します。そして、長い歳月を経た今もなお、心身の傷や差別、生活上の困難を抱えながら歩んでこられた被爆者の皆様とそのご遺族に、深い敬意とお見舞いを申し上げます。

「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」――。被爆者の皆様が自らの苦しみを越えて、世界と未来の世代に託してこられたこの言葉を、私たちは決して過去のものにしてはなりません。

平和とは、単に戦争が行われていない状態ではありません。人々が暴力や飢え、抑圧と恐怖にさらされることなく、一人ひとりの生命と尊厳が守られる社会を築くことです。核兵器が存在し、その使用によって無数の市民の生命を奪うことができる世界は、真に平和な世界とは言えません。

しかし、被爆80年の節目から今日までの一年間にも、世界では戦争と暴力が続きました。

ロシアによるウクライナ侵略は今なお多くの市民を傷つけ、住まいや病院、学校、生活に不可欠な社会基盤を破壊しています。ガザでも、市民の犠牲と避難、深刻な人道危機が続いています。誰が行うものであっても、市民を巻き込み、その生命と生活を犠牲にする攻撃を正当化することはできません。

昨年6月、イスラエルと米国はイランの核施設を攻撃しました。その後も緊張は収まらず、本年2月28日には、トランプ米政権とイスラエルがイランへの新たな大規模攻撃に踏み切り、イランによる報復攻撃も周辺地域へ拡大しました。

イランの核活動をめぐる疑念は軽視できません。イラン政府には、核兵器不拡散条約上の義務を誠実に履行し、国際原子力機関による査察と検証に全面的に協力する責任があります。

しかし、核開発への懸念を理由として、外交交渉を尽くすことなく他国を攻撃し、原子力施設を戦場に変えることも、決して認められません。

核不拡散を掲げながら核施設を爆撃し、国際的な査察と検証を困難にするトランプ政権の行動は、重大な自己矛盾です。原子力施設への攻撃は、放射性物質の拡散や大規模な原子力災害を招き、そこで暮らす人々だけでなく、周辺地域と将来世代をも取り返しのつかない危険にさらします。実際に、イランはナタンズの核関連施設やブーシェフ原子力発電所周辺などへの攻撃を国際原子力機関に報告しています。

軍事大国が自らの判断だけで武力を行使し、相手国を従わせようとする世界を、私たちは認めることができません。こうした力による支配は、核兵器を放棄するのではなく、むしろ自国も核兵器を持たなければならないという不信と恐怖を各国に広げます。

米国と同盟関係にある日本政府は、米国の行動を無条件に追認するのではなく、国際法と国連憲章に反する軍事行動には明確に異議を唱えるべきです。同時に、イランによる民間人や周辺国を巻き込む報復攻撃も許されません。すべての当事国は武力行使を停止し、国際原子力機関による検証を伴う外交的解決へ立ち戻らなければなりません。

核軍縮を支えてきた国際的な制度も、深刻な危機に直面しています。本年2月には、米国とロシアの戦略核兵器を制限してきた新戦略兵器削減条約、新STARTが、後継となる枠組みのないまま失効しました。また、4月から5月に開催された核兵器不拡散条約運用検討会議も、最終文書について合意できずに閉幕しました。

核保有国が自らの軍縮責任を果たさず、核戦力の増強と近代化を続ける一方で、他国にだけ核不拡散を求めることでは、国際社会の信頼を得ることはできません。核保有国には、核兵器が使用される危険を低減し、検証可能で相互的な軍備管理と軍縮を進める責任があります。

私たちは日本政府に対し、本年11月30日から開催される核兵器禁止条約第1回運用検討会議に、少なくともオブザーバーとして参加することを求めます。

これは、現在の日本が置かれている安全保障環境を無視することではありません。条約への立場や安全保障政策の違いを超えて、被爆国として議論の場に参加し、核保有国と非保有国、核抑止に依存する国と核廃絶を求める国との間にある分断を埋めるためです。

核兵器のない世界への道のりは、決して平坦ではありません。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、国民の生命と平和を守る責任を果たしながら、核兵器が使用される危険を着実に減らしていくことが求められています。

理想を語るだけでも、現在の核依存を追認するだけでも、未来を切り開くことはできません。核軍縮と不拡散、危機管理、対話と外交を積み重ね、現実の安全を確保しながら、核の脅威を段階的に減らしていく。その先に、核兵器のない世界を展望することが、被爆国日本の果たすべき責任です。

そして、核をめぐる危険を考えるとき、原子力発電所が抱える脆弱性から目を背けることもできません。ウクライナやイランにおいて、原子力施設が戦争に巻き込まれ、攻撃の危険にさらされた事実は、原発が平時の事故だけでなく、有事においても人々の生命と生活を脅かす存在となり得ることを示しています。

原発からの転換を進めるに当たって、その負担を立地地域やそこで働く人々だけに押しつけることがあってはなりません。

社会進歩党は、再生可能エネルギー、省エネルギー、蓄電設備、分散型電力網への公共投資を進めます。同時に、雇用保障、職業訓練、地域産業への支援を一体的に行い、誰も取り残さない公正な移行を伴う計画的な脱原発を実現します。

戦争や核兵器によって最初に犠牲となるのは、権力を持つ者ではなく、そこで日常を営む市民です。とりわけ子ども、高齢者、障害者、貧困の中に置かれた人々は、戦争と社会基盤の崩壊によって、より深刻な被害を受けます。

だからこそ、平和の問題は、外交や軍事だけの問題ではありません。貧困と格差、差別と排外主義、権威主義と人権侵害を克服し、すべての人が尊厳をもって生きられる社会を築くこともまた、戦争を防ぐための重要な営みです。

社会進歩党は、被爆者の皆様が守り、伝えてこられた記憶を胸に刻み、市民社会や次の世代と連帯しながら、広島と長崎の教訓を具体的な外交と社会政策へと変えていきます。

被爆81年のこの日、私たちは、核戦争を決して起こさせず、戦争と核の脅威から解放された、平和で公正な社会を次の世代へ引き継ぐため、未来への責任を果たし続けることを改めてお誓い申し上げます。

2026年8月6日
社会進歩党代表
鈴木しんじ





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